2011年4月7日木曜日
メルトダウンは(25)
● 半径30km圏
『
毎日.jp 2011年4月7日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110407ddm003040112000c.html
東日本大震災:福島第1原発事故 冷却、なお時間
福島第1原発で続いていた高レベルの放射性汚染水流出が6日、ようやく止まった。
東京電力は最重要課題である原子炉の冷却システム「残留熱除去系」復旧に全力を挙げる。
応急処置の注水を続けて汚染水が増え、再び海に流出する悪循環を断ち切るためだが、周辺機器が損傷している可能性に加え、建屋内の汚染水も作業を阻む。
復旧にはなお時間がかかりそうだ。
◇高濃度汚染水止めたが--続く注水作業
福島第1原発は、津波による電源喪失で冷却機能を失った。
特に、被災時に運転中だった1~3号機では燃料棒を冷やすための電源が足りず、
燃料の過熱↓空だき↓水素爆発↓建屋損傷、放射性物質の放出
という深刻な事故を引き起こした。
現在は外部電源が復活している。
1~3号機では仮設の電動ポンプを使い、建屋外にある真水を、トラブル時に働く「給水系」「消火系」配管から原子炉圧力容器内に注水、燃料棒を冷やしている。
使用済み核燃料プール内の燃料棒も冷却が必要だ。
原子炉建屋が壊れている1、3、4号機は生コン圧送機、2号機は既存の配管を使ってそれぞれ注水を続けている。
東電によると、原子炉内の圧力や温度は高いもののいずれも安定しており、燃料プールも
「注水などによる冷却で制御できている」
という。
しかし、本来、圧力容器内で完全に水没していることが望ましい燃料棒(長さ4メートル)は
▽1号機は1・65メートル
▽2号機は1・5メートル
▽3号機は2・2メートル、
水面から出ており、いぜん予断を許さない状況だ。
小康状態とはいえ、1~3号機への注水を続ける限り、放射性物質を含む汚染水は増え続ける。
一部は原子炉建屋から漏れだしてタービン建屋に移動、さらに外部のトレンチにも浸出しており、推計6万トンに及ぶとされる汚染水の処理は、東電にとって頭の痛い課題だ。
特に線量が高い2号機の汚染水2万トンについては、別棟の集中環境施設(収容能力約3万トン)に移すことを計画。
以前から同施設内にあった約8000トンの低レベル放射性汚染水のうち約6000トンを6日までに海中に放出した。
一方、5、6号機は被災時に原子炉が点検停止中だったことや、外部電源を比較的早く導入できたことで、圧力容器、燃料プールともに冷却が進み、「冷温停止」と呼ばれる制御可能な状態を保っている。
◇熱除去系、復旧は--高い線量が壁
注水をやめられる方法は、本来原子炉が持っている「残留熱除去系」と呼ばれる冷却システムを復旧させることだ。
通常、定期検査などで原子炉を停止させた後に使われ、外部から余分な水を入れなくても、熱交換器で冷やされた水が循環して炉内と燃料プールを効率的に冷やしてくれる。
東電はすでに、熱交換器に海水を供給するポンプの仮設を1~4号機で済ませた。
懸念は、このシステムがきちんと稼働するかどうか。
特に水素爆発が起きた1、3、4号機は建屋内の配管などに何らかの損傷が起きている可能性が高い。
6日の作業で、高レベルの放射性汚染水の流出を食い止めた東電は今後、たまっている汚染水の処理と並行して、残留熱除去系にかかわる配管や弁、ポンプなどの健全性の確認に作業を集中させる。
しかし、残留熱除去系の復旧に欠かせない電源盤など一部の機器はタービン建屋内にあり、汚染水の処理が急がれる。
また、別の場所から新たな汚染水流出が始まる可能性も捨てきれず、作業は時間との闘いだ。
さらに、圧力容器内の放射線量が高い状態では、放射線によって水の分解が進んで水素が発生しやすく、新たな水素爆発を誘発する危険性もある。
東電は格納容器内の放射線量が減少傾向にあることから
「水素爆発を起こすほどのレベルではない」
と分析している。
内閣府原子力安全委員会の代谷(しろや)誠治委員は
「目に見える流出は止まったかもしれないが、他にも漏れがないか危惧している。
今後は持続的な冷却システムの構築を目指すだろうが、まだ高い放射線量の水が1~3号機のタービン建屋に残っており、これを除去しない限りポンプや配管を設置する作業はできない。
熟練の作業員の数も限られており、かなりの時間がかかるだろう」
と話す。
』
● TBSニュースより
『
テレ朝newsw 2011/04/07 05:50
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210407003.html
【原発】水素爆発回避のため1号機で窒素ガス注入
東京電力は、福島第一原発1号機で原子炉格納容器の水素爆発を回避するため、7日未明から窒素ガスの注入を開始しました。
1号機から 3号機の原子炉圧力容器の中では、燃料棒の一部が露出し、燃料を覆う金属と水蒸気が化学反応を起こして水素が発生しています。
水素は圧力容器の外側の格納容器内に漏れ出しているとみられ、一定の濃度を超えると酸素と反応して爆発する恐れがあることから、化学反応を起こしにくい窒素ガスを入れることで水素の濃度を下げて爆発を回避する狙いです。
1号機の格納容器は破損が小さく、比較的機密性が保たれ、水素の濃度が上がっていることから、2号機や3号機に優先して作業を行います。
一方、原発敷地内の4カ所で先月25日と28日に採取した土壌からは、微量のプルトニウムが検出されました。
このうち、2カ所については今回の事故で出たとみられます。
』
『
東京新聞 2011年4月7日 07時02分
http://news.google.co.jp/news/section?pz=1&cf=all&ned=jp&topic=e&ict=ln
救世主は1キロ70円 汚染水止めた「水ガラス」
東京電力福島第一原発2号機の高濃度放射能汚染水が、海に流出するのを食い止めた「水ガラス」。
これを現地に納入したのは、大手工業薬品メーカーの東曹産業(東京都千代田区)だ。
需要が減って減産が続き、一キロ当たり70円と安価な水ガラスが、深刻な海洋汚染拡散を防ぐ“救世主”となった。
水ガラス(ケイ酸ナトリウム)は、透明で粘着質の液体で、トンネルや下水道の土木建築のほか、せっけんの添加剤、接着剤、紙パルプ、繊維など利用範囲は広い。
土壌硬化剤を混合すると固体化する特性を持ち、今回は止水剤として期待通りの効果を示した。
戦前から水ガラスを生産してきた東曹産業は今月3日、原発で地盤改良の作業を担当する特殊土木業者から注文を受け、翌4日朝に4,000リットル、6日朝にも3,000リットルを納入した。
原発最寄りの同社仙台工場は、東日本大震災の津波被害を受けて操業停止中のため、いずれも東京工場からトラックで現地に運搬した。
汚染水の処理で一躍脚光を浴びた水ガラスだが、市場規模は年々、縮小傾向にある。
二十年前に約100万トンあった出荷量は、2009年度に約46万トンまで落ち込んだ。
公共工事の減少のほか、洗剤の主流が粉末から液体になるなど、時代の変化で需要が低下したからだ。
ただ、2007年7月の新潟県中越沖地震で被害を受けた東電柏崎刈羽原発でも、水ガラスが土壌の液状化を防いだ。
当時も自社製品を納入した東曹産業の小山光男常務は
「需要が落ちる中、震災の被災地では今後もニーズが出てくると思う。いかに早く製品を届けられるかが、われわれの社会的使命」
と話した。
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『
日本経済新聞 2011/4/7 10:28 (2011/4/7 12:00更新)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E2E5E2E2E08DE2E5E2E6E0E2E3E39F9FE2E2E2E2
福島原発、1号機への窒素注入確認 汚染水除去は難航
東京電力は7日午前、福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器に窒素が入り始め、圧力が上昇していることを確認したと発表した。
窒素の注入は、格納容器で増えている水素によって爆発が起こり大量の放射性物質が飛散するのを防ぐため。
作業は6日間続ける。2、3号機でも注入の準備を始めた。
一方、タービン建屋地下の汚染水の除去作業は難航。
本来の冷却機能を回復させる作業を始められない状況が続いている。
東電は1号機の原子炉に真水の供給を続けているが、燃料棒は半分近く露出したままで著しく損傷している。
燃料棒が損傷すると燃料棒を覆っている金属と水が反応して水素が発生するほか、放射線による水の分解も進み水素がさらに出る。
水素がある一定の濃度に達すると酸素と反応して爆発する危険が高まるので窒素を入れて水素の濃度を下げ、爆発を防ぐ。
東電は格納容器の容積と同等の6000立方メートルの窒素を入れる予定。だが、経済産業省原子力安全・保安院は7日の会見で
「容器には予想以上の水があり、注入量は少なくなる」
と説明した。
一方、2号機のピット(立て坑)からの高濃度汚染水の流出は6日に止まった。
東電は再流出を防ぐため7日中に取水口付近の海中に縦4メートル、横8メートルの鉄板7枚を海底まで設置する作業を始める。
1~3号機のタービン建屋地下にたまった汚染水を除去する準備作業も続けている。
汚染水を保管するため隣接する集中廃棄物処理施設の比較的低濃度の汚染水を海に放出する作業は7日中に終了する見通し。
5、6号機の低濃度の汚染水の海洋排出は9日完了の予定だ。
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テレ朝ニュース 2011/04/07 14:33
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210407028.html
【原発】「原子炉は依然、不安定」米原子力規制委
アメリカのNRC=原子力規制委員会の幹部は議会の公聴会で、福島第一原発について
「原子炉の温度が再び上昇する危険性がある」
という見方を示しました。
原子力規制委員会(NRC)・バジリオ副局長:
「(Q.原子炉は安定しておらず、過熱の危険性が)その危険があります」
バジリオ副局長は
「複数の相反する情報が錯そうしている。
それは、炉心が水に覆われていたり、いなかったりする時があるということだ」
と述べて、原子炉が今も不安定な状態にあるという見方を示しました。
一方、民主党のマーキー下院議員が入手した情報をもとに
「2号機の圧力容器の一部が損傷しているのでは」
と指摘したのに対して、バジリオ副局長は
「はっきりとした情報はない」
と明言を避けました。
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NHKニュース 2011年4月7日 18時0分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110407/t10015162521000.html
“30キロ圏外での避難指示も”
枝野官房長官は、午後の記者会見で、福島第一原子力発電所から半径30キロ圏外の地域について、積算の放射線量の値によっては避難指示を出す可能性があるという認識を示しました。
この中で枝野官房長官は、国からの指示が現在出ていない福島第一原発から半径30キロ圏外の地域について、
「データに基づき、かつ、累積での放射線量に対してどういう基準で避難を指示したらいいのかを含めて検討している」
と述べ、積算の放射線量の値によっては避難指示を出す可能性があるという認識を示しました。
また、枝野長官は、半径20キロ圏内の住民の一時帰宅について、
「『震災から1か月なので』という基準で決められる問題ではなく、今月11日に実施することは、今の段階の報告からはなかなか難しい」
と述べ、今月11日に実施するのは難しいという見通しを示しました。
そのうえで、枝野長官は、住民が一時帰宅する場合の仕組みについて、
「避難指示が出ている半径20キロ圏内では、自衛隊員や機動隊員も防護服を着用し、放射線量の測定機器をつけて安全に万全の配慮をしており、それと同様か、準じる対応が必要だ。できれば1か月をめどに、一時帰宅の仕組みの概略を早く固めたい」
と述べました。
』
いよいよ、危機的状況になってきた。
でも、なんとなく作為的なような気がする。
具体的な原発の状況が、まるで示されていない。
とりあえずまわりがぎゃんぎゃんいうので、アドバルーンを打ち上げておこうといった風にもみえる。
30キロ圏外といってもあまりにも漠然ととしている。
予防というのなら、具体的にして欲しいのだが。
== 東日本大震災 ==
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