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● Image: NOAA / global bathymetry data
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WIRED VISION 2011年3月30日
http://wiredvision.jp/news/201103/2011033018.html
「太平洋プレートが沈み込む日本海溝」の3D測深図
今週のSeafloor Sundayでは、3月11日に起きた地震と津波で激しい被害を受けた日本の海底を紹介しよう(仙台と東京が表示されている)。
測深図と呼ばれる、海底の地形だが、垂直的な差異が誇張された形で表示されている。
測深機では、船の底から音波(音響ビーム)を発射し、音波が海底にぶつかってはね返ってくるまでの時間を測って水深を計算している。
太平洋プレートが日本の火山帯の下に潜り込む所である、日本の東北部にある深い海溝[日本海溝]に注目してほしい。
日本海溝は、東日本沖の太平洋底に、海岸線にほぼ並行して存在する海溝のこと。
太平洋プレートが西方向に移動し、東日本がある北アメリカプレート(オホーツクプレート)の下に沈み込む場所に形成されている。
最も深い所は8,020m。
青森県東方沖地震、三陸地震・三陸沖地震(三陸はるか沖地震含む)、宮城県沖地震(東北地方太平洋沖地震含む)、福島県沖地震(福島県東方沖地震含む)、茨城県沖地震、房総沖地震(千葉県東方沖地震含む)などは、日本海溝で起こる海溝型の大地震であり、しばしば津波が発生する。
今回の地震の、地殻構造的な説明については、Scientific AmericanのChris Rowan氏による解説を参照してほしい。
● 日本海溝の位置(赤線)、画像はWikipedia
プレートは、地球の表面を覆う、十数枚の厚さ100kmほどの岩盤のこと。
プレートには、大陸プレートと海洋プレートがあり、海洋プレートは大陸プレートよりも強固で密度が高いため、2つがぶつかると海洋プレートは大陸プレートの下に沈んでいくことになる。
また、地下のマグマの上昇によりプレートに亀裂ができ、連続してマグマが上昇し続けると、その後プレートが分断されて両側に分かれることになる。
太平洋プレートは、日本海溝で北アメリカプレートの下に沈み込んだ先で、フィリピン海プレートの下にさらに沈み込んでいる。
以下は、主要なプレートの位置図。
● 画像はWikipedia
なお、関東地方の地下にあると推定されているプレートの断片を
関東フラグメント
と呼ぶ。
過去に太平洋プレートの上盤がはがれて、そのまま太平洋プレートの上に乗って残存しているものと考えられる。
栃木県南部から神奈川県北部までの地域の深さ30〜100km付近に、厚さ25km、100km四方にわたって存在し、関東地方の地表を覆うユーラシアプレートの下で、東から沈み込む太平洋プレートと南から沈み込むフィリピン海プレートの間に挟まっていると推定されている。
このプレートとほかのプレートとの境界では、陸の下でありながらプレート間地震が発生するものと見られ、1855年の安政江戸地震はこのタイプで、今後もこのタイプの地震が首都直下地震として発生する可能性がある。
● 関東フラグメントの位置。画像はWikipedia
WIRED NEWS 原文(English)
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NHKニュース 2011年4月2日 21時18分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110402/k10015068541000.html
海底最大8m隆起で津波が高く
東北の太平洋沿岸を襲った大津波は、巨大地震の震源域のうち、最も沖合の長さ180キロの海底が、最大8メートルと大きく隆起したために、急激に高くなったとみられることが、専門家の分析で明らかになりました。
東京大学地震研究所と建築研究所のグループは、東北の沿岸や北西太平洋などで観測された津波のデータから、今回の大津波がどのように発生したのか分析しました。
それによりますと、津波は南北450キロに及ぶ震源域の海底のほぼ全域から発生し、特に、最も沖合の長さおよそ180キロ、幅およそ60キロの海底が、5メートルから8メートル程度大きく隆起したために、高くなったとみられています。
分析結果に基づいて津波の伝わり方を計算したところ、南北の帯状に延びる高さ10メートル以上の大津波が、30分から1時間ほどで東北の沿岸に押し寄せる様子が再現されました。
研究グループは、沖合の海底が大きく隆起したことが津波の急激な上昇につながり、震源域が陸地の近くまで広がっていたことが、津波が内陸深くに流れ込む要因になったとみています。
東京大学地震研究所の佐竹健治教授は、
「はるか沖合で大津波が発生した明治三陸地震と、内陸深くに津波が流れ込んだ平安時代の『貞観地震』が、同時に起きたような地震だったと考えられる。
日本のほかの沿岸でも同じような地震や津波が起きるおそれがないのか、分析していく必要がある」
と話しています。
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NHKニュース 2011年4月3日 18時48分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110403/k10015076811000.html
宮古市の津波 38mと判明
大津波で壊滅的な被害を受けた岩手県宮古市では、津波が各地の調査で判明した中で最も高い、およそ38メートルの高さまで駆け上がっていたことが分かりました。
津波災害を研究している東京大学の都司嘉宣准教授のグループは、3日、岩手県宮古市田老地区で津波の高さや建物の被害状況を調べました。
このうち小堀内漁港では、海岸線からおよそ200メートル離れた高台で津波が斜面を駆け上がった痕跡が見つかり、測量の結果、高さが37.9メートルに達していたことが分かりました。
これは、各地で行われている専門家による調査で判明した中で最も高く、1896年の明治三陸津波の際に岩手県大船渡市で確認された、38.2メートルに匹敵する大津波が押し寄せていたことが分かりました。
調査に当たった都司准教授は「明治三陸津波に匹敵するか、それを上回る規模の津波だったことが分かった。
場所によっては、さらに高くなっている可能性もあるので、ほかの研究者とも連携して引き続き調査を進めたい」と話していました。
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産経新聞 2011年04月04日21時29分
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110404/dst11040421200046-n1.htm
東日本大震災 昭和基地でも揺れを観測
国立極地研究所は4日、国内観測史上最大のマグニチュード(M)9・0を記録した東日本大震災の地震波が、震源から1万4千キロ以上離れた南極の昭和基地でも観測されたと発表した。
超巨大地震の揺れで地球全体が波立ったことを示すという。
極地研によると、観測したのは同基地に設置された超電導重力計と呼ばれる装置。
磁場の中でセンサーを浮上させることで、重力のわずかな変化を検出する。
普段は南極の氷床の変動などを観測しているが、地震波が伝わることで生じる重力の変化も見分けることが可能だ。
3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災の揺れは、約20分後に同基地へ到達。
観測した波形の大きさは装置の限界を超え、2004年のスマトラ島沖地震(M9・1)に匹敵した。
極地研の土井浩一郎准教授は
「今回の地震が非常に大きなものであったことを示す貴重なデータだ」
と話す。
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[◆ その後の話]
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2011/04/06 16:52 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040601000582.html
震源付近海底が24メートル移動 海保観測、陸上の4倍
東日本大震災の震源(宮城県・牡鹿半島沖約130キロ)付近で海底が東南東に約24メートル移動し、約3メートル隆起する地殻変動のあったことが6日、海上保安庁の観測で分かった。
陸上では、牡鹿半島が震源方向に向かって
東南東に約5・3メートル移動する地殻変動
が国土地理院の衛星利用測位システム(GPS)により観測されており、この4倍以上となる。
海保は、今回の調査結果を11日に開かれる政府の地震調査委員会で報告する。
海保によると、観測には海底に設置された「海底基準点」を利用。
震源の約40キロ陸側の基準点は、東南東に約15メートル移動したことも判明した。
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時事.com 2011/04 /07-12:10
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011040700388
「津波の押さえ込みは無理」=被害を調査-土木学会
土木学会は7日、仙台市内で記者会見し、東日本大震災の被害に関する第1次総合調査について報告した。
津波被害について調査団長の阪田憲次会長は
「全部を(堤防など)力で押さえ込もうするのは無理だということが今回はっきりした」
と語った。
学会では復興への提言を今月中に取りまとめる予定。
土木学会は関係学会と合同で先月27日から今月6日まで、地震工学、コンクリート・構造工学などの専門家で構成する調査団を派遣。東北地方の21市町村を調査した。
鉄道や道路、港湾施設や堤防については、阪神大震災後の耐震設計や補強技術の高度化で揺れによる被害が軽微だった一方、津波による被害が甚大となった。
阪田会長は
「どこからどう力がかかったのか全く想像できない」
とした上で、対策については
「避難などと併せて考えるべきだ」
とした。
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時事.com 2011/04/07-17:52
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011040700755
女川原発の津波、13メートル=敷地の高さで難逃れる-東北電
東北電力は7日、東日本大震災で女川原発(宮城県石巻市、女川町)を襲った津波の高さが約13メートルだったことを明らかにした。
また、1~3号機とも、国の耐震指針に沿った想定を超える地震の揺れが観測されたと発表した。
東北電によると、設置許可申請時に想定した津波の高さは9.1メートル。
潮位計の記録から、3月11日午後3時半ごろに約13メートルの津波が襲っていたことが分かった。
ただ、同原発は敷地が海面から約13.8メートルの高さにあり、敷地海側の一部に海水が浸入したものの、施設の主要な部分には到達しなかった。
一方、同社は2006年の耐震設計審査指針改定に伴い、原発敷地地下のある地点に最大580ガルの揺れをもたらす地震を想定。
この地震をもとに、建屋各階での揺れを想定していた。
1号機では、地下最下階で南北方向に532ガルの揺れを想定していたのに対し、実測で540ガルを記録。
2号機同階では607ガル(想定594ガル)、
3号機でも573ガル(同512ガル)といずれも想定を超えた。
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そして、この津波が襲った面積は合わせて、
山手線圏内の8倍だったとという。
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NHKニュース 2011年4月9日 16時1分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110409/k10015201001000.html
東北の津波 浸水面積明らかに
先月の大津波で、東北の太平洋沿岸で浸水した地域の面積は、500平方キロメートル余りに達していたことが国土地理院の分析で分かりました。
国土地理院は、航空機や衛星から撮影した画像を使って大津波で浸水した地域の面積を分析し、これまでに東北の太平洋沿岸の結果がまとまりました。
それによりますと、青森県から福島県にかけての4つの県で浸水した地域は507平方キロメートルで、
東京のJR山手線の内側のおよそ8倍にあたります。
県別では、宮城県が327平方キロメートルで最も広く、次いで福島県が99平方キロメートル、岩手県が57平方キロメートル、青森県が24平方キロメートルでした。
また、市町村別では、宮城県石巻市が73平方キロメートル、仙台市が52平方キロメートル、福島県南相馬市が39平方キロメートル、宮城県東松島市が37平方キロメートル、宮城県亘理町が35平方キロメートルなどとなっています。
特に仙台市若林区は区の面積の60%余りが浸水したほか、宮城県の亘理町や岩沼市でも行政区域の半分近くが浸水していました。
国土地理院は、今後、茨城県と千葉県の沿岸についても浸水した地域の分析を進めることにしています。
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== 東日本大震災 ==
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