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● 韓国の原発は北朝鮮のミサイル攻撃に耐えられるか?
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/04/01 10:48:32
http://www.chosunonline.com/news/20110401000031
韓国の原発は安全なのか
もし北朝鮮が攻撃してきたら?
福島第一原子力発電所の事故現場。屋根が崩れ鉄骨がむき出しになった外観は、まるで爆撃を受けたかのように見える。
冷却装置の故障で水素爆発が起きたのだ。
一部では、韓国の原発は内部での爆発だけでなく、北朝鮮によるミサイル攻撃のような、外部爆発にも備える必要があるという主張がなされている。
果たして韓国の原発は、内部・外部の爆発という最悪の状況に耐えられるのだろうか。
■コンクリート内部の「鉄のクモの巣」が貫通を防ぐ
韓国の原発を訪れると、
「原発はそこそこのミサイルでは貫通できない」
という話をよく耳にする。
その根拠は、厚さ1.2メートルのコンクリート製ドーム構造にある。
だが、実際の状況を想定した実験やシミュレーションは一度も行われていない。
韓国原子力安全技術院(KINS)のチョン・ヨンソク博士は
「原発の設計上、軍事的攻撃は考慮の対象ではない。
航空機の衝突しても十分に耐えられるという結果が出ている」
と語った。
米国では9・11テロ以降、航空機が原発に衝突した場合を想定した研究が活発になった。
インターネットでは、F4ファントム戦闘機を原発の構造物に衝突させる実験映像を見ることができる。
韓国でも、09年に檀国大のチョン・チョルヒョン教授(土木環境工学科)が、KINSと共同で同様の状況を想定したシミュレーション研究を行った。
KINSのチョン・ヨンソク博士は
「実験の結果、韓国国内で運航されているボーイングやエアバスの民間航空機、F16 戦闘機が原発に衝突しても、内部の原子炉には被害が及ばないことが分かった」
と語った。
米国も、実際の実験を通じて同様の結果を得ている。
シミュレーションでは、航空機の機体はコンクリート製のドーム建屋に突き刺さるものの、中までは貫通しないという結果が出た。
チョン博士は
「コンクリート内部にある鋼線の網が貫通を防ぐ」
と語った。
原発を運営している韓国水力原子力(KHNP)によると、コンクリート製のドーム建屋内には、人の指くらいの太さがある鉄筋を55本使用して作った計192本の鋼線が、クモの巣のように張り巡らされている。
そのため、内部の水素爆発や外部の衝撃があった場合、ドーム建屋の一部が傷つくことはあっても崩壊することはないという。
しかし軍事専門家たちは
「厚さ6メートルのコンクリートを貫通させる爆弾もあることから、最悪の状況に対する備えも必要」
と指摘した。
延世大のキム・ジャンホ教授(土木環境工学科)は
「ミサイルのような強烈な爆発が起こった場合、
強度を高めたコンクリートはむしろ弱く、容易に真っ二つに
なりかねない」
と語った。
強度を高めれば高めるほど、曲げに弱くなるからだ。
ミサイル攻撃のような強烈な衝撃を受けた場合、原発を保護しているコンクリートは間違いなく壊れる。
キム教授は
「衝撃吸収力が高い特殊なコンクリートで、タイルを張るように建屋の表面を覆った場合、構造物本体の損傷をかなり抑えることができる」
と語った。
実際に、抱川にある実験場で実験を行ったところ、特殊なコンクリートで覆われた構造物は、破壊の程度がかなり少なかったことが確認された。
■津波に備える防壁より、モーターの防水が急務
地震や津波への対策も急務だ。
韓国の原発は、同じ状況が起きた場合、日本よりも優れた点がある。
まず、韓国の原発は、電気が途絶えても内部の蒸気を自然循環させてモーターを回し、冷却水を供給できる。
また、原子炉の上に冷却水タンクを設置し、事故時には重力だけで水を注ぐことができる。
蒸気発生器が原子炉本体とは離れた場所にある点も、事故時に原子炉内で蒸気の圧力が高まる状況を防いでくれる。
しかしこれらの装置は、あくまでも臨時の手段だ。
最終的には、電気で動くモーターが作動しなければ、原子炉冷却は正常に稼動しない。
漢陽大の諸武成(チェ・ムソン)教授(原子力工学科)は
「津波に備えた堤防をもっと高くしようという主張もあるが、津波が押し寄せてきた場合、どこからも水が入ってくる。
それよりも、モーターなど電気設備の防水作業を急がなければならない」
と語った。
教育科学技術部(省に相当)原電点検団によると、現在、韓国国内の原発にこうした防水システムはない。
原発事故を想定したシナリオも、地震や火災はあるが、津波は除外されている。
地震に備える耐震設計にも、限界がある。
現在、韓国の原発はマグニチュード6.5の地震に耐えられるよう設計されている。
韓国地質資源研究院のチ・ホンチョル博士は
「韓半島(朝鮮半島)の地震に関する歴史記録や地質構造などから、
マグニチュード7の地震が発生する可能性も考えられる」
と語った。
韓国電力は、新設原発についてはマグニチュード7まで耐震基準を高める方針だが、既存の原発の耐震能力をすぐに高めるのは難しい。
諸武成教授は
「蒸気発生器の配管の厚みが2ミリに過ぎないため、地震の衝撃に備えてこの部分から補強工事を行う必要がある」
と指摘した。
● 古里原子力本部は31日、古里原子力発電所(釜山市機張郡長安邑)古里1号機の主制御室(MCR)や非常発電機、冷却水採取口、7.5メートルの防壁な ど、主な設備をメディアに公開した。
古里1号機については、日本の福島第一原発での事故を契機に、稼働年数を延長するかどうかをめぐり議論が起こっている
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/04/01 09:17:55
http://www.chosunonline.com/news/20110401000020
韓国政府、原発事故に備え毎年訓練実施へ
金国防長官「北による攻撃の可能性、防御を強化」
韓国政府は国内の原子力発電所での放射性物質漏えい事故に備え、大規模な官民合同訓練を毎年実施する案を積極的に進めることとした。
韓国政府の高官は先月31日、
「大きな原発事故に備えた訓練は、原発がある地方自治体が3-4年に1度実施している自主訓練がほぼ全てで、参加率が低く、事故が起きた場合、住民たちは直ちにどこへ避難すべきかも分からないのが実情。
政府が直接乗り出して、原発事故に備えた官民合同訓練を毎年実施し、原発の防災システムをきちんと整えようという趣旨」
と語った。
首相室や教育科学技術部(省に相当)、消防防災庁など関連部局の実務者たちは、先月30日にソウル市鍾路区の政府総合庁舎でこうした案を話し合い、今月4日にも会議を開く予定だ。
韓国政府の関係者は
「原発事故に備えた今年の訓練は、5月2日から4日にかけて政府が韓国各地で実施する“安全韓国訓練”の期間中に実施するのが有力」
と語った。
安全韓国訓練は、21の中央部処(省庁に相当)、244の地方自治体、135の公共機関全てが参加して実施する大規模な年次防災訓練。
訓練を実施するのは、韓国東部沿岸の蔚珍・月城・古里原発付近になると伝えられている。
韓国政府は、事故発生時の政府の初動対処や速やかな住民避難対策などを、訓練中に集中してチェックする予定だ。
一方、国防部の金寛鎮(キム・グァンジン)長官はこの日、放送記者クラブ主催のテレビ討論会で、原発に対し北朝鮮が危害を加える可能性をめぐり
「原発など国家主要施設の防御については、関連部処と協議の上で強化する。
原発を含む複数の国家主要施設については、民・官・軍の統合防衛体制を備えており、この地域一帯で周期的に訓練も行っている」
と語った。
韓国軍当局は現在、北朝鮮の特殊部隊が原発など主要な国家施設を攻撃する場合、韓国の特殊部隊や後方地域にある陸軍の師団はもちろん、予備役や警察官などを投入し保護する計画を立てている。
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「災害訓練」というのは諸刃の刃。
なぜなら、原発は危険だ、ということをアピールするようなもの。
もし災害訓練をやると、原発反対運動にアブラを注ぎかねない。
== 東日本大震災 ==
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